龍眠庵や霊源院は、京都市東山区にある臨済宗の大本山東福寺の塔頭寺院です。
京都駅からも近い立地のためか、永代供養墓を生前建墓させるご夫婦の比率が高いように思います。
新幹線の停車駅からも近い環境のため、核家族化の中では、子供達の負担軽減に繋がるとお考えのご夫婦が多いように感じます。
お墓を生前確保された方々の意見も参考にしながら、生前建墓のメリットやデメリットについて紹介させていただきます。
将来にご自身が埋葬される場所を、十分な時間をかけて選ぶことができます。
墓地使用料や墓石費用など、子供への負担は軽減されます。
子供への負担軽減を希望される方には、安心して仏事を相談できる寺院との出会いにつながります。
お墓は贈与税の対象になりません。
これらは、ご家族の理解や賛成があってメリットといえるのではないかと思います。
建墓後に状況が変わり埋葬する場所を変更する場合は、用意したお墓の費用は全て無駄になります。
一般的なお墓では、墓地管理料などの維持費が必要になります。
年に一回以上の定期的なお墓の掃除が必要になります。
これらのデメリットの解消を考えて造られたのが龍眠庵の永代供養墓です。
デメリット3につきましては、両親が定期的にお墓参りに行っている姿を子供達は感じますので、必ずしもデメリットとはいえません。
永代管理のため先々のお墓の維持費は不要です。
埋葬された方々の定期的なご供養が継続して勤められますので無縁墓地にはなりません。
地震などでの墓石の損傷も龍眠庵が修理を行いお墓を維持します。
一般的なお墓の場合は、無縁墓地になることを防ぐために、維持管理できないお墓は「墓じまい」をして、ご遺骨を改葬いたします。
永代供養墓では、埋葬された方々の供養は継続して行われますので、お墓の移転を検討される方には分骨をお勧めしています。
寺院が墓石の維持を永続して行いますので、無縁墓地の心配は解消されます。
墓石を新築された仏教徒の方は、寺院に依頼をして法要をしていただくのが一般的です。
この墓石に魂を入れる法要を、開眼(かいげん)供養といいます。
開眼供養は墓石の新築祝いや、家族や親戚へのお披露目の意味合いもあります。
その際には、半数近くの方はご先祖様のお墓の敷地内の土をお墓に埋葬されています。
お墓は、逝去された方を埋葬する場所ですが、同時にお供養をする場でもあります。
生前建墓をされる方には分家の方が多いのですが、ご自身のお墓であると同時に、新たなご先祖様のお供養の場としてお墓参りをされています。
ただし、仏教的にはご先祖様のお墓の土は必須という訳ではありません。
何も入っていない空っぽのお墓よりも、ご先祖様の土を入れた方が、お墓参りに行く気分になるのではないかと考えて生まれた風習ではないかと思います。
生前建墓の最大のメリットは、十分な時間をかけてお墓を選べることではないかと思います。
永代供養墓の登場により、お墓を元気なうちに確保することが、子供への負担軽減に繋がる度合いも増しました。
筆者も先日お墓を確保いたしましたが、何となくほっといたしました。
個人差はあるとは思いますが、生前建墓をされたご夫婦も、よくお墓参りにお越しになっています。
また、ご先祖様のお供養のために、お彼岸やお盆に行われる寺の行事にも参加をされて、お寺の環境に馴染んでおられるように見えます。
このようなご両親の姿が次世代へと引き継がれていくことを願っております。