お世話になります、龍眠庵墓地で樹木葬や永代供養墓の施工を担当しましたオフィス石太郎です。
龍眠庵の隣りにある霊源院でも永代供養墓の受付をしています。
一昨年ごろより、郷里のお墓を墓じまいして、ご遺骨の改葬をお考えの方からの相談が増えてまいりました。
墓じまいや改葬をお考えの方とのお話の中で、気が付いたことや具体例を交えて紹介させていただきます。
ただし、本項は墓じまいや改葬を推奨している訳ではありません。
現状をよくご理解いただき、誤った判断を出来るだけ避けていただくことを願い解説させていただきます。
「ご先祖様の墓じまいをするのは凄く大変」と、お考えの方もおられるのではないでしょうか?
皆様が「大変」と感じることを、リストアップしてみたいと思います。
誰に相談したらよいのか分からない。
親戚に言い出しにくい。
世話になってきたお寺に言い出しにくい。
離壇料など高額な費用の要求があるのではないか?
墓石の撤去や処分に相当な費用が必要だと聞いたことがある。
遺骨が残っていた場合は、どうすればよいのか分からない。
「大変」と感じる部分は、大きく2つに分けられそうです。
決断するまでが大変。
作業や費用が大変そう。
先祖代々のお墓を自身の代で墓じまいをするには、やはり覚悟が必要だと思います。
墓じまいをする方の主な理由
覚悟を決められた方は、主に2つの理由から決断をされました。
子供の負担を増やしたくない。
無縁墓地になってお墓が荒れるとご先祖様に申し訳ない。
家族と相談
墓じまいを考え始めた方は、まずは家族と相談をすることが大切だと思います。
墓じまいありきで相談をするのではなく、特に後継者であるお子さんの意見を聞いていただくことが大切だと思います。
ご家族の気持ちを確認することで、お墓参りを継続できるかどうかを判断してください。
墓じまいをしますと、家族が使うお墓が無くなってしまうご家庭もあります。
もしも、ご家族の皆様が「新たなお墓が必要だ」との結論になった場合は、ご先祖様の受け入れも視野に入れた検討をおすすめいたします。
事情を知る方がお元気な間に
ご親戚や菩提寺(代々世話になっているお寺)の了解を得る必要がある場合は、ご主人様がお元気な間に話を進める必要があります。
特にご主人様が長男の場合は、お亡くなりになった後では、残った家族は親戚や菩提寺とのスムーズな話し合いが難しくなるかも知れません。
次に墓じまいに必要な主な作業と費用を説明させていただきます。
ご遺骨が残っているお墓の場合は
新たに埋葬する墓所の費用。
役場での改葬許可申請費用。(数百円~)
ご先祖様のお墓の抜魂法要の御布施。(ご住職へ)
墓石の解体撤去処分費用。(石材店へ)
寺院墓地の場合は
今までお世話になったことに対する御礼。(お寺へ)
墓じまいをする際は、墓石や工作物は全て撤去してから墓地管理者に墓地を変換いたします。
返還の手続きは霊園や寺院によって異なりますが、墓地は原則無償返還ですので返金はありません。
寺院墓地への御礼ですが、お寺から離壇料を要求されたという文章を、近頃は目にすることがございます。
筆者にも、離壇料の相場についてのご質問を時々いただくことがございます。
少し前までは「離壇料」という言葉は聞いたことがなく、お世話になった事への気持ちとして御礼をお渡しするのが一般的でした。
このような質問をいただいた時は「まずは、ご住職に墓じまいの希望を仰られてみてはどうですか?」とお答えしています。
弊社のお客様では、離壇料を要求された方はお一人だけでした。
その方に金額はお聞きしませんでしたが「想定していた金額でしたのでお支払いすることにしました」と仰っていました。
その他のお客様は、「何も言われなかったので良かったです」という感じでした。
改葬許可申請について
改葬とは、一度埋葬した遺骨を他の場所に再埋葬することをいいます。
遺骨を他の場所に移す際には、改葬許可申請が必要で、お墓の在る役場で手続きを行います。
お墓の中の遺骨は土に還っていて無い場合は、原則では申請の必要はありません。
ただし、墓地管理者によっては、遺骨の有る無しに関わらず、墓じまいの際に改葬許可証を求められることがあるのが現状です。
墓石の解体撤去費用について
まずは、墓石を建てていただいた石材店や地元石材店に見積もりを依頼いたします。
見積もり価格に疑念を持たれる人は、複数の石材店で見積もりをしていただくとよいかも知れません。
石材店によっては、改葬許可申請の際のアドバイスの他に、ご遺骨を引き上げるお手伝いなども行う良心的な会社もあります。
墓じまいを依頼する際には、墓石はどのような処分がされるのかを確認しておくと安心です。