東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
龍眠庵では、本日2月3日より樹木葬付き永代供養墓「樹陵(じゅりょう)」の受付が始まりました。
本項では、樹木葬タイプのお墓と呼ばれる「小型個別墓」のメリットや注意点を解説させていただきます。
これから新たなお墓をご検討中の方は是非参考にしてください。
本来は、山林などに遺骨を埋葬してから、そこに植樹などをする埋葬方法を樹木葬といいました。
墓石を建てないことで、費用を抑えることが出来ることや、墓じまいの必要がないことから、樹木葬が紹介された当時は沢山の方々から支持されたと聞いています。
反面、本来の樹木葬には、交通アクセスに難があったり、お供養の場として物足りなさを感じる人もおられたようです。
このようなデメリットを解消するお墓として、霊園や寺院では樹木葬タイプのお墓が企画されるようになりました。
樹木葬タイプのお墓といっても様々なデザインのものがあります。
霊園や寺院での樹木葬墓に共通することは?
一般的なお墓に比べて低予算での確保が可能である。
墓地管理料などの維持費が不要である。(管理料が必要なお墓もあります)
各家個別の納骨室に埋葬する。
墓地管理者が墓じまいを行う。(または永久に墓じまいをしないなど次世代への負担がない)
埋葬された方々のお供養は定期的に継続して勤められる。(永代供養)
これらの条件を満たすためもあって、ほとんどの樹木葬タイプのお墓は、決められた区画の中に小型の墓所が並ぶ形態をとっています。
これらのお墓を「霊園樹木葬」や「都市型樹木葬」と呼んで、本来の樹木葬と区別していた時期もありました。
最近では、霊園での樹木葬が広く普及したことで、本来の樹木葬を樹林葬と呼んで区別する傾向が強くなってきました。
次世代への負担が少ない
霊園樹木葬の多くは、墓地管理料などの維持費が不要(永代管理)であったり、家族が墓じまいをする必要がないなど、従来のお墓に比べて家族への負担を軽減する仕組みを取り入れています。
永代管理とは、先々に必要な管理料を一括前納する墓地管理料の支払い方法で、お墓を求める際の初期費用の中に含まれています。
また、墓じまいの不安を解消するために、墓地管理者が家族に代わって墓じまいを行うなどの取り決めをしています。
これらの取り決めは、霊園や寺院によって異なりますが、墓地使用規程や管理規程などで確認をすることができます。
また、永久に墓じまいをしないお墓の場合は、墓地管理者が各家の墓碑の補修なども行っています。
従来のお墓に比べて低予算
霊園樹木葬の多くは、区画内に沢山の小型墓石がならぶ設計になっています。
主に、お墓の金額は、墓地使用料・墓石費用・維持費によって決められています。
永代供養のお墓には、さらに供養料も加わります。
小型墓石にする理由は3つあります
一つ目は、出来るだけ墓地使用料を抑える目的から、省スペースにする必要があります。
そのため、低予算を重視した設計のお墓は、小型で隣家との間も狭くなります。
二つ目は、小型にすることで石材の量を減らすことが出来ることで費用を抑えることができます。
三つ目は、墓地管理料を抑えることができます。
一般に墓地管理料は、墓地面積に比例して決められていますので、省スペースにすることで墓地管理料を抑えることが可能です。
お客様のご要望に沿ったお墓にするために、各霊園や寺院では低予算のお墓を造る工夫をしています。
永代供養のお墓
永代供養については、時々永代管理と混同されるケースもあるようです。
永代管理とは、墓所を永代(お約束の期間)に亘って管理することをいいます。
永代供養とは、墓所に埋葬された方々のお供養を、定期的・永続的につとめることをいいます。
霊園や寺院での樹木葬の多くは、永代供養のお墓です。
樹木葬のある各地の霊園や寺院の多くでは、ご家族の方々も参列されての合同法要が行われています。
埋葬可能な人数制限について
霊園や寺院での樹木葬タイプのお墓は、前章で予算を抑えるための設計がされているものが多いことに触れました。
大半の場合では、墓碑や納骨室などの全てが小型に設計されています。
納骨室の容積の都合もあって、埋葬可能な人数制限を設けているお墓もあるため、使用者によってはデメリットになる場合もあります。
家族代々の埋葬が可能な樹木葬墓もあるので、家族墓タイプを希望の方は墓地使用規程などで確認しておくと安心です。
お墓の使用期間について
霊園や寺院での樹木葬墓では、お墓の使用可能な期間を設けている場合が殆どです。
墓じまいの心配を解消するための手段ではありますが、確保をする前には十分な注意が必要です。
まずは、期間がスタートするタイミングに注意をしてください。
特に生前確保を考えている人は、お墓を確保した時からカウントが始まるお墓だと、ご納骨後の使用期間が殆どなくなってしまうケースも考えられます。
先々に自分達が入るためのお墓として生前確保を検討している人は、登録されている最後の人が納骨されてから使用期間のカウントが始まるお墓をおすすめいたします。
また、使用期間の長さについても、家族がお供養をする上で十分な期間であるかも考えておく必要があります。
最近では、各地の霊園や寺院で樹木葬タイプのお墓の受付をしています。
また、樹木葬タイプのお墓の普及に伴い、永代供養は皆様の身近なものになったように感じます。
樹木葬タイプのお墓や永代供養のお墓には、様々なタイプのものがあって、霊園や寺院によって個々に規程が設けられています。
思い込みや誤解による失敗を防ぐためには、霊園や寺院が提示している墓地管理規程を確認しておくことが大切です。
本項が皆様のお墓選びの参考になりますと幸いです。