東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
東福寺龍眠庵では、2022年5月より樹木葬と永代供養墓の受付をしています。
先日、樹木葬をご成約いただきましたお客様は、30年間ご自宅で手元供養をされてきたそうです。
今は、火葬がされますので、故人様の埋葬の時期につきましては土葬の時のような制約を受けることがありません。
そして、法律などで定められていませんので、ご遺族の意思が尊重されます。
仏教徒の人の場合は、特別な理由がない限り四十九日まで自宅でお供養をするように教わります。
ただし、ご家庭の事情で四十九日まで自宅でお供養することが難しい人は、あらかじめご住職と相談をしておかれることをおすすめいたします。
四十九日の法要を終えた以降は、いつでもご納骨をしていただけます。
お墓のあるお家では、四十九日の法要後すぐに納骨をされるご家族が多いように思います。
お墓のないお家の場合は、墓地探しや墓石の工事などにある程度の期間が必要になりますので、一周忌や三回忌の法事の後に納骨するご家庭が多いように思います。
ただし、お墓の有る無しに関わらず、法要の後に納骨しなければいけないという決まりはありません。
法事の時期と関係なく、納骨をしていただいても問題はありません。
早く土に還してあげたら
以前は、筆者が住む関西エリアでは、「早く土に還してあげたらと、親戚がうるさいので・・・」という話を聞く機会がけっこうございました。
関西エリアの多くは、お墓に埋葬する際にご遺骨は骨壺から出してから納骨いたします。
このことから「土に還してあげる」という人が多かったようです。
最近では、家族葬のお葬式が増えるなど、親戚づきあいが希薄になりつつあるようで、このような話を聞く機会がへりました。
長い間、納骨をしないという理由だけで故人様を粗末にしていることにはなりません。
筆者の経験では、事故などで突然お亡くなりになった場合は、ご遺族の心の整理がつかずに、少しでも長くご自宅でのお供養を希望する人が多いように感じます。
「早く土に還してあげたら」と仰るお節介な叔母さんには、遺族には前を向いて過ごしていただきたいという気心を感じます。
遺族を気にかけてくれる親戚の存在に、故人様も少し安心されるのではないかと思います。
親戚との関係は、ボタンを掛け違えると拗れてしまことがありますので、長らく自宅でのお供養を希望する人は、周囲も共感する説明を添える必要があるかも知れません。
仏教以外の宗教を信仰している人で、組織や団体の中で相談できる人がいる場合は、直接相談をしていただくことをおすすめいたします。
中には、何となく仏教徒としての自覚はあるが、特に信仰する宗派がないため、相談する相手がいない人がおられます。
このような方々は無宗派と呼ばれています。
無宗派の場合は
無宗派の人は、ご葬儀を機会に、寺院との関わりを持つことになるのではないでしょうか。
ご葬儀後には葬儀社スタッフより、四十九日までの法要の流れについて説明があると思います。
その後の、ご納骨の時期については、前章を参考にしてください。
それらを家族で検討することになりますが、ご住職から直接お話を聞く機会はあまりないようです。
故人様のお供養について、ご住職を交えた打ち合わせができれば、一般論から一歩踏み込んだ「我が家のお供養の姿」が見えてくるのではないかと思います。
最近は、終活をしている人も多いようです。
無宗派の方々は、お元気な間に気軽に相談できる寺院を見つけていただくと安心ではないかと思います。
無神論者の人は
また、無神論者として宗教とは一切の関わりを持たない人もおられます。
ただし、故人様のお供養と宗教が紐づいていないだけですので、故人様を思う気持ちは同じです。
お墓のない方は、公園墓地や公営墓地・自治会墓地など、寺院の境内墓地を避けていただいた方が安心ではないかと思います。
また、ご納骨の時期につきましては、四十九日などの仏教の習慣にとらわれる必要がありませんので、ご家族で相談して決めていただければよいと思います。
お墓のないお家には、生前墓をおすすめしています。
また、ご納骨を機会に新たなお墓を確保して、そこに改葬を希望する人も多くなっています。
生前墓をおすすめする理由にはいくつかございますが、どれも残された家族のためということになります。
親戚間の問題を軽減
男女の寿命からも、先にご主人様がお亡くなりになる場合が多いようです。
ご主人様がお亡くなりになりますと、奥様はお嫁さんとしてご親戚から思われがちになる傾向があります。
特に、ご主人様のご両親がご存命の場合では、この傾向が強く、墓地の場所を自由に決められないケースも、過去には数件ございました。
お供養の方法としては分骨もございますが、一度揉めてしまいますと感情論になってしまって引っ込みがつかないようです。
生前にお墓を確保しておくことで、故人様の希望を反映するという形でスムーズに進むのではないかと思います。
相続税の軽減
墓所は相続税の対象に含まれませんので、資産のある方は相続税の軽減に繋がります。
お供養の諸々を事前に把握しておく
核家族の家庭が増えるにつれて、葬儀社に紹介していただいたご住職によるご葬儀も増えています。
このような場合には、全てがご葬儀からスタートすることになりますので、お供養の全てを遺族に託すことになります。
また、残念なことに、ご葬儀していただいたご住職とは、意見が合わずに距離を置きたいというケースもございました。
お墓については、先々のことを考えて永代供養墓を希望する人が増えています。
永代供養墓をお探しのお客様を拝見していますと、同時に信頼できる寺院探しを兼ねておられるように感じます。
東福寺龍眠庵にご見学のお客様からは
「お葬式や法事での御布施は、どれくらいを考えておけばよいですか?」
「〇〇県までお葬式に来ていただくことは可能ですか?」
「このお寺で法事をするとしたらどの程度の予算が必要ですか?」など、
お墓とは直接関係がないご質問を多数いただきます。
菩提寺のない人は、ご葬儀の際に葬儀社さんから紹介いただいた初対面のお寺では、あまりにも先々が不透明と感じているようです。
お寺の方針やご住職の人柄、御布施を含む具体的な費用もある程度把握しておくことで、安心して家族にバトンタッチすることが出来るのではないでしょうか。
これらの理由で、生前墓は家族へ負担軽減に繋がるばかりか、ご自身の終活を大きく前進させることが出来るのではないかと思います。
東福寺霊源院で永代供養墓の受付がスタートしてから20年が経ちます。
当時に生前墓を確保していただいたご家族よりご戒名の追加彫刻の依頼で、訃報の連絡をいただく機会が昨年より急に増えてまいりました。
ご家族の多くは、四十九日までに彫刻が完了するかを確認されますので、その際にご納骨を希望されているようです。
東福寺霊源院では、宗派を問わない永代供養墓の受付をしていますが、ご住職にご葬儀の依頼をするご家族が多いことから、ご家族内での申し送りがキッチリされているように感じます。
本コラムでは、ご納骨の時期について仏教徒の場合を中心に解説させていただきました。
もしもご不明な点がございましたら、オフィス石太郎までお尋ねください。