東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
東福寺龍眠庵では、昨年5月より樹木葬や永代供養墓の受付をしています。
永代供養墓をご成約いただいたお客様が3件と、樹木葬では1件のお客様が、墓じまいをされた遺骨の改葬を目的にお墓を確保されました。
少子化や核家族化に伴い、墓じまいを検討する人が増えています。
本項では、墓じまいの際に必要な費用を中心に解説させていただきます。
墓じまいに必要な費用の中で、大きな割合を占めるのが墓石撤去作業料と、埋葬されている遺骨の改葬(再納骨)費用です。
墓じまいをするためには、石材店に墓石の撤去や処分などを依頼する必要があります。
霊園や寺院によっては、指定石材店が決まっている場合があります。
指定石材店のある墓地では、指定業者に作業を依頼することになります。
公営墓地や自治会墓地(地域の共同墓地)では、石材店の指定は、あまりありません。
分からない場合は、指定石材店の有無を墓地管理者に確認してください。
石材店各社で、墓じまいに必要な費用はまちまちです。
墓地近隣にある石材店の方が地の利があるため、見積額は低めの傾向があります。
ただし、見積額に納得できない場合は、他社との相見積もりをする方法もあります。(指定石材店がない場合)
弊社を例にとりますと、京都市近郊にある1聖地墓地(90×90㎝)で、8寸墓石が設置された一般的なお墓では、20万円弱になります。
急坂や階段の有無など墓石などを搬出する際の難易度や、トラックからの距離なども見積価格に関わりますので、現地を拝見してから見積もりをさせていただいています。
地域によっては、9寸や1尺など京都よりも大きな石碑が普通だったり、1件当たりの墓地面積が広いなど、様々なお墓が建てられています。
また、墓地によっては棹石(一番上の「〇〇家之墓」などが彫られた石)を、霊園内の無縁塚に安置する場合もあります。
無償で安置していただける場合もありますが、有償のところもあります。
作業によって整地した墓地を墓地管理者に返還しますが、ほとんどの墓地は無償返還といって墓地代などは戻ってこない決まりになっています。
お墓に関することには、地域の習わしなどもありますので、一律に説明させていただくことが出来ません。
お墓から遠くにお住いの方は、墓地の近くにある石材店に相談をしていただくと的確なアドバイスをいただけるのではないかと思います。
墓じまいを進める上での手順としては、お墓に埋葬されているご遺骨の改葬先の確保が一番になります。
一番にしておかなければならない理由は2点あります。
改葬先が決まらないと役場での改葬許可申請ができない。
改葬先が見つかるまで自宅などで遺骨を保管する必要がある。
引き上げた遺骨を改葬する先については、合祀墓・一般的なお墓・永代供養墓・樹木葬・室内墓苑などの墓所であれば大丈夫です。
ただし、室内墓苑の中には、改葬した遺骨を納骨できないところもあるのでご注意下さい。
今現在お墓が建っている霊園の中の合祀墓(所在地が同じ)に改葬の場合は、法的には改葬許可申請が必要ないこともあって、希望する人が多いようです。
また、ご先祖様が長年眠っておられた環境を大きく変えたくないという気持ちからかも知れません。
改葬先に、納骨する際には役場が発行した改葬許可証が必要です。
合祀墓の場合は、10万円前後で納骨をしていただくところが多いのですが、納骨料×人数で計算をする場合や永代供養の有無などによって、寺院や霊園ごとに費用が違います。
新たにお墓を建てる方は、墓地を確保した上で石材店に墓石の発注をする必要があります。
墓地使用料や墓石費用は様々ですが、関西では150万円~200万円くらいのご予算で、新たなお墓を検討する人が多いようです。
墓じまいをするお墓の正念抜きと、新たな墓所に改葬する際の御布施が必要になります。
御布施の金額が分からない場合は、ご住職に直接お尋ねになるか、石材店に尋ねていただくと良いでしょう。
最近では、御布施の目安になる金額を答えてくださる若いご住職が増えているように思います。
改葬許可申請について、面倒くさい印象をお持ちの人が多いようです。
手続きをしてみると「意外と簡単でした」と仰る人が多いのですが、役場の担当者が丁寧に教えてくださいますので安心してください。
費用としては、数百円程度の手数料になります。