東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
龍眠庵墓地を拝見いたしますと、墓石の後ろに幅が10センチくらいの細長い板を立てているお墓がございます。
お塔婆(とうば)といって、お墓に埋葬された人を供養するために立てる風習があります。
この記事の内容
龍眠庵では、樹木葬や永代供養墓での納骨法要をされる方には、ご住職が初回のみ費用のご負担なくお塔婆をご用意いたします
お塔婆ですが、宗派によっては立てないところもあります。
真宗や浄土真宗では、お塔婆を立てての供養は致しません。
龍眠庵は、臨済宗の寺院ですのでお塔婆を立てる宗派ですが、ご希望の方のみ立てていただいています。
もともと、臨済宗は座禅などの修行に重きをおいているためか、多宗派のように、あまり細かな決まりが無いように感じます。
宗派が同じでっても、お寺によってお塔婆の扱いに差異があるようです。
お客様から聞いた話ですが、関東方面のお寺は、お塔婆供養にはとても熱心だそうです。
先ほど説明した、墓石の後ろに立てられたお塔婆は、大塔婆と呼んでいます。
大塔婆という呼び方は、もしかして通称かも知れませんが、関西近郊ではだいたい通用する呼び方だと思います。
また、浄土宗の寺院墓地に行きますと、墓石の前に薄く削った板を重ねて置いているお墓があります。
これは、水塔婆と呼ばれるお塔婆です。
水塔婆は、水をかけて供養に用いたことから、その呼び名が付いたようです。
水塔婆も大塔婆同様に、故人様の供養のために立てられてきました。
ただ、お寺によっては別の目的をもって、使用されることもあります。
法要の際にお位牌の代わりに用いられたり、お墓参りに来たことを故人様に知らせる目的で、お墓にお供えをする人もおられます。
故人様のお供養のために用いられていることですので、本来の目的とは違っていても大丈夫だと思います。
先ほどから、お供養のためにお塔婆を立てると書いてきました。
塔婆の語源は、ストゥーパといって、供養塔や仏舎利塔などを意味する言葉です。
日本語では、婆という文字が入っているため、実際の塔婆を見たことない人にはイメージしにくいかも知れません。
墓石(供養塔)の後ろに、供養塔を建てることになるため、理屈だけで考えた場合は少し違和感を感じます。
火葬が普及してからのお墓では、お寺に塔婆を頼むと「何本にしますか?長男さんところと、次男さんところとで、2本でいい?」というようなヤリトリがありました。
最近では、家族だけが1本のお塔婆を立てる場合が増えてます。
故人様のお墓の周囲を、子供家族や親戚などが建てる数本の供養塔で満たされるようなイメージで法要が勤められていました。
もちろん、宗派や地域によっては全く違うこともあると思います。
筆者が立ち会わせていただいた現場では、「〇〇さん、ありがとう!父も喜ぶと思うわ」というような会話を時々お聞きしました。
お塔婆を立てようと思いますと、事前にご住職に予約をしておく必要があります。
概ね、お塔婆の表には、立てる目的が書かれます。
例としては「ご戒名+三回忌法要」などです。
また、背面には塔婆を立てる人の名前が書かれています。
塔婆を立てる人の名前が複数名の場合は、書き間違えの無いように、お名前を書いたメモを渡すか、ファックスやメールなどでお知らせをすると良いでしょう。
お塔婆供養や法事などの仏事は、昔から続けられてきた習わしです。
また、結婚式なども同様に、誰かから強制されて行うようなものではありません。
「故人様が喜んでくれそうだったら、それだけで十分」という、多少大らかな気持ちでお塔婆供養をお考えいただければと思います。